活字はこう読む? 雑・誌・洪・積・世

サブ・カルチャー好きの情報スクラップ。ささらほうさらと彼岸を往復。

 映画(ま・や行)

最強モンスターはアレです!!/『モンシターVSエイリアン』4

ムシザウルス















モンスターVSエイリアン/ Monsters vs. Aliens●
●監督;ロブ・レターマン/コンラッド・ヴァーノン
●脚本;メイヤ・フォービスウォレス・ウロダースキー 他
●音楽;ヘンリー・ジャックマン
●声の出演:リース・ウィザースプーン/ベッキー
    セス・ローガン/日村勇紀(バナナマン)
    ヒュー・ローリー/キーファー・サザーランド/ウィル・アーネット 他
●DATA;公開日 2009年3月27日/2009年7月11日(日)
    上映時間150分/製作 アメリカ合衆国

 『ナンチャラVSなんちゃら』ってタイトルが嘘臭い(笑)。『ゴジラ対キングギドラ』なんてのもあるし、『プレデターVSエイリアン』なんてのもある。気分転換&現実逃避モードになるとついつい手近に映画館に逃げ込む(汗)。期待しないで行ったのだけれど…。

モンスターvsエイリアンポスター●あらすじ

 遥かな宇宙のどこか、隕石が生まれた。その行き先は、遠く遠く…。

 静かな寝室。スーザンが、幸せそうな寝顔を見せている。わやわやとスーザンを起こす家族の面々。早朝のニュース・ショーでスーザンの婚約者が登場した。天気予報の後、にやけ顔でスーザンとの結婚を話す婚約者。照れるスーザンに、家族は大盛り上がり!。スーザンの人生最良の日が始まるはずだった…。

 郊外の教会では、ウェディング・ドレスに着替えたスーザン。花嫁の控え室を婚約者が覗く。「ドレス姿を見ると悪いことが起こるよ」と言うスーザンに、彼は新婚旅行でパリには行けなくなったと上機嫌に言う。パリ旅行を楽しみにしていたスーザンは、がっかり。複雑な気持ちを抱え、庭にいたスーザンに隕石が迫っていた。どんどん近づく隕石!!。スーザンは???>>>つづきは劇場でどうぞ!

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モンスターVSエイリアン/1
 混雑したロビーから座席に移る。誰もいない!?(汗)。封切り2日目の日曜午後に、この寂しさ!!。そこに、がやがや子供たちが入って来た。手にドリンク、各自ポップコーンを持っている。全員小学生風女の子。口々に「ごくせんが良かった」「みんなごくせんに行ったんだ、誰もいない」「ごくせんに移る」などなど(笑)。引率者は若いおばあちゃん(最初ママかと思った)。「そんなこと言うなら、お菓子を持って帰ろう」「おばあちゃんはもう嫌になったよ」と、本当におばあちゃんは出口に行ってしまった。通路に響くおばあちゃんの声。「みんな、帰ろうよ〜〜〜」

 結局、文句たれの孫連は、おとなしく座席に座り、ポップコーンを食べている。おばあちゃんの勝利だ!!。この映画を選択したのは、おばあちゃんらしい!?。


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 日本のアニメはCG化していても、昔のセル画アニメの雰囲気を残しつつ、物語を大人向けに深化させている。だが、アメリカのアニメーションは、どんどんワイヤー・フレームが実体化し、今や一種の異次元化しているようだ。本作も、最新CGの成果が十二分に生かされ、大人も楽しめる作品になっている。同じく3D仕様だった2005年の作品『リトル・チキン』に比べ、格段に楽しめる。思うのだけれど、なんでハリウッドの製作陣は、隕石落下と宇宙人襲来が大好きなのか?。イマジネーションの乏しさは、潤沢な資金と想像力が反比例していると、思ったりする(笑)。

 イマジネーションの乏しさと書いたが、本作『モンシターVSエイリアン』は昔のモンスター系B級映画へのノスタルジー、リスペクト、オマージュを前面に出した作品だ。映画館で販売しているプログラムには、元ネタの映画を紹介しているが、著作権の問題もあるのか?、若干嘘っぽいところもあったり…(汗)。お子ちゃまが見ても楽しいし、おばあちゃんやおじいちゃんが見ても楽しい仕掛けになっている(らしい)。

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※下記、多少のネタばれ含みます。ご注意ください。

 隕石のパワーで大きくなってしまったスーザン!!。モンスター・ネーム“ジャイノミカ”とつけられ、米軍が50年も極秘にしている施設に監禁されてしまう。そこに暮らすモンスターがえらくショポイ。ゴキブリと遺伝子が融合しちゃった博士、半漁人、スライム、インセクトザウルスの面々。インセクトザウルスにいたっては、赤ちゃんらしく言葉も通じない。

 一方、謎の隕石を追って、極悪のエイリアンが地球侵略に訪れる。あらすじを書いていて、笑っちゃうほど、前見た映画をパズル化したよう!!。途中、寝てしまいました(汗)。映画の途中で眠くなったのは『ダヴィンチ・コード』以来。新鮮味の無い内容がつづくと意識を失ってしまうのだ(笑&汗)。

 ところが、たこ宇宙人とのからみになってから、俄然面白くなる。ナルシストで巨大な宇宙船を操って宇宙征服を狙う怪人!!(あれ?映画『ヤッターマン』のドクロベエ?)。どこかで見た雰囲気ながら、ジャイノミカのスピード感溢れる動きが、とことん楽しい!!。まったく役立たずのアメリカ大統領は白人系キャラになっているのも、お約束風。彼の使うキーボードのマークが“YAMAHA”だったのも小ネタで楽しい。

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 本作の製作は、ヒット作『シュレック』シリーズの“ドリーム・ワークス”。シュレックでは、「イロオトコには中味がない!!」と、世の中の子供に啓蒙活動をしている。本作も、一見イイオトコ風の業界くんの底の浅さに、主人公スーザンが気付く。『モンシターVSエイリアン』のテーマは、緩い暖かさがあったかつての映画へのオマージュと、中味の薄い社会、見た目9割以上になっているソトズラ社会への、痛烈な風刺なのかもしれない。

 私が一番好きなモンスターは、勿論“インセクトザウルス”。登場した時は、幼虫で、繭になって羽化するアレ!!。あはは、、、勿論、東映怪獣映画の人気キャラ“モスラ”!!。最後にモスラの勇姿を見れただけでも、1000円払った甲斐がある(笑)。 

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スライムとエイリアン

Dの世界の神髄!“ever after”を考える/『魔法にかけられて』5

魔法にかけられて/1





















●魔法にかけられて●
●原題;Enchanted
●監督;ケヴィン・リマ
●脚本;ビル・ケリー
●出演;エイミー・アダムス/パトリック・デンプシー/ジェームズ・マースデン/
    スーザン・サランドン/ティモシー・スポール 他
●DATA;アメリカ 2007年11/21公開 107分

 レンタルDVDで視聴。最初見た時は、退屈に感じ途中で止めてしまった。結末が気になり、再び視聴。すっかりエイミー・アダムスさんの魅力の虜に!!。

●あらすじ

魔法にかけられて/2 お伽話の国“アンダレーシア”に住む美しい乙女ジゼル。大きな木に作られた可愛い家に中、美しい歌声が響く。うっとりと歌声に聞き入る森の動物たち。前夜、ジゼルは、夢を見た。“真実のキス”をする未来の夫!の姿。ジゼルは忘れないように、夢の中の若者の人形を作っていたのだ。ジゼルが大好きなりすのピップは一生懸命にお手伝いとする。森の動物達は皆、ジゼルが大好きだった。少し離れた森の中、エドワード王子がオーガ退治をして、暇つぶしをしていた。エドワードはジゼルの歌声を聞き、オーガとともにジゼルも森に向かう。森で出会った二人は一瞬で恋に落ち、その日のうちに結婚式をあげることに…。

 それを知ったエドワードの継母は、ジゼルに王妃の座を奪われるのを畏れ、彼女をニューヨークに追放してしまう。それを見たピップはジゼルを追う。そして王子も…。美しいお伽の国から、“永遠の幸せなど存在しない世界”しないニューヨークへ…。さて、ジゼルの運命は?。>>>つづきはDVDでどうぞ!

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 原題の“Enchanted”は形容詞。日本語題“魔法にかけられて”はその直訳になる。ここで注意しなければならないのは、この魔法は白い魔法。黒い魔法の時は“enchanted”は使わないと思う(おそらく???=黒い魔法の時は“cursed ”かな???)。だから、この映画のテーマは“enchanted”のもう1つの意味=「うっとり、楽しい」だと云うことになる。

 本作『魔法にかけられて』のアニメーション部分は、昔風のセル・アニメ手法で作られている。やや淡い色彩設計、ジゼルの細いウェストや、動物たちの可愛い目の描写、ディズニーの過去の名作アニメを彷佛させる。エドワード王子の馬の造型は、動きもデザインも素晴らしく、題名どおり、“enchanted=うっとり、楽しい”してしまった。

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 素晴らしいアニメの世界から、実写のニューヨークの舞台が移る。そこに映っているのは、少々年を喰ったジゼルの姿!?。実際、主演のエイミー・アダムスさんは1974年生まれ。撮影時、30歳を過ぎている。このキャスティングは日本では考えられない!?。お伽話のお姫さまの年齢設定は16〜18歳?、エイミーさんをジゼルに選んだのは、子供達の「心の中のお姫さまを優先したからだ」と思ったりする。ティーン・エィジャーのお姫さまは、ディズニー・ランドのお姫さまには似合わない。優しくて、安心して甘えられるエイミーさんのイメージはディズニーのお姫さまにはぴったり!だった。

 ニューヨークに落ちたジゼルを追って、エドワード王子も穴に入る。実写のエドワード王子は完全に三枚目(笑)。お笑い部門担当になっており、まったくカッコ良くも、素敵でもない。ドタドタと走り回り、剣を振り回すサイコ野郎?、従者のナサニエルが居なかったら、即刻逮捕されている(汗)。ここで子供たちは“お伽話の王子”の滑稽さを感じ、いつかお伽話と決別しなければならない現実を学習するのだ。

魔法にかけられて/6
 あわて者の王子がお伽の国のヒーローなら、付き添いの母親はジゼルに感情移入せざるを得ない。ジゼルを助けるシングル・ファザーの弁護士ロバートに、それぞれ理想の夫像を重ねることになる。ここらへんの展開は、あざとく、実に上手い!!。現実主義のロバートは、ジゼルの超能力的(?)特技の数々を見せられても、動じることなく紳士的に振る舞う。

 このジゼルの特技が素晴らしい!?。動物や虫に家事をさせ、街中の人をミュージカルスターにしてしまう。ネズミやゴキブリが大量に発生する様は、パニックムービー(?)、子供達の唖然とする顔が目に浮かぶ。さて、付き添いの母親はどんな反応をするか?。一種の制作者サイドの仕組んだ“リトマス試験紙”で、興味深かった(アニメ“レミーの美味しいレストラン”のネズミの大軍も凄かったが=笑)

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 今回、特筆すべきは歌と踊りの素晴らしさ!

 私はジゼルがセントラルパークをパレードする♪That's How You Know♪が大好きだ。恋する気持ちの初々しさが、うっとりと楽しく歌われ、町中の人を幸せにしていく。この映画のテーマは“永遠の愛”であり、そこは健全な家庭があり、母でありながら、永遠の恋人でもある理想の妻像が描かれていた。

 Dの世界の理念、極めて保守的だ。本作は、Dの戦略どおり、ディズニーの理想を巧妙に描いた大傑作!!。私も幼少時代、Dの世界に洗脳された1人で、なおかつ落ちこぼれだったりする(大汗)。(no.1116)

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魔法にかけられて/5

無慈悲な神々、異世界からの襲来!/『ミスト』4

ミスト/1

















●ミスト●
●原題;The Mist
●原作;スティーブン・キング
●監督;フランク・ダラボン
●脚本;フランク・ダラボン
●出演;トーマス・ジェーン/マーシャ・ゲイ・ハーデン/ローリー・ホールデン 他
●DATA;アメリカ 公開 2007年11月21日/125分

 本作のテーマは、ずばり“霧”。不思議な話を集めた本などを読むと、異世界、異次元に行く道は“霧”に包まれているそうだ。さて、本作ではどんな生き物が霧の道を通ってくるのだろうか?。

●あらすじ

 メイン州のどこか、閑静な湖畔の別荘地。

 デヴィッド・ドレイトンは、映画ポスターで活躍している画家。妻スティファニーと幼い息子のデヴィトと一緒に、湖畔の別荘に滞在していた。夜半、激しい突風と雷雨に見舞われ、周囲の木々が倒れる。別荘の壁面やボート・ハウスが被害に遭う。湖の対岸には、ミルクのような濃霧が立ちこめていた。それを見て不思議がる妻にドレイトンは「気圧の関係で霧が出来てのだ」と笑う。

 ボート・ハウスを壊した木は隣家の木であり、隣家とは境界線争いで告訴騒ぎになったことがあった。勝訴したドレイトンと隣家のノートンは良い隣人関係とは言えないのだ。ドレイトンは、物損保険の加入の有無を問うためにノートン家に向かう。庭にいたノートンが指し示したのは、倒木の下敷きになったノートン所有の高級車だった。

 家の修復材料など、村のスーパーに買い出しに行くドレイトンに、ノートンは同乗を申し入れる。家の片付けのために妻は残り、ドレイトンはデヴィットを乗せ、村唯一のスーパー・マーケットに向かう。霧は村一帯を包み込み、霧の中を軍隊や警察車両が湖に向かっていく。まだ、何が起ったのか?誰も知らない。そして…。>>>つづきはDVDでどうぞ!

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ミスト/2
※下記、ネタバレも含みます。ご注意ください。

 群馬から軽井沢に向かう旧道の碓氷峠。季節の変わり目、ミルクのような濃霧が発生する。生き物のように、柔らない触手は、最初は地面を這い回り、だんだんと周囲を白い闇に閉じ込めるのだ。車で霧の峠道に突入すると、どこか異世界に紛れ込んだような錯覚に囚われる。

 深い森の中、見え隠れるする車のライト。霧は音さえも吸収するかのように、あたりは無音になる。一人で運転している時は、自分がどこにいて、今何時なのか?、どんどん分らなくなる。“霧”は、多くのホラー作家のインスピレーションを刺激する題材だ。

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 『ミスト/The Mist』 は、フランク・ダラボン監督・脚本の作品。フランク・ダラボン監督は、スティーブン・キング原作『ショーシャンクの空に』、『グリーンマイル』を大ヒットさせ、本作はキング作品3作目となる。個人的には『ショーシャンクの空に』は、アメリカ映画の最高傑作の1つと思っている。『グリーンマイル』も不可思議な余韻を感じさせる佳作だ。だが、本作『ミスト』は前2作のようにはいかなかったようだ。

『ショーシャンクの空に』、『グリーンマイル』、『ミスト』、共通項を考えると、“閉じ込められた空間”と云うことになる。前2作では、絶望の後の希望、神の恩寵と、ポジティブな感情が最後に残るが、本作には、心温まるエピソードも、善なるものの実在も、人間愛も、とにかく、前向きなものは何も存在していない。これは非常に後味の悪い結末だ。本作『ミスト』映画版の結末は、小説とは違っている。原作者了承済みとのことだが、まったく救いがない。「最後は悪魔の高笑い」的な、B級ホラーの定石になっている。ここに監督の内的変化を読むことができる。ダラボン監督は、おそらくアメリカの未来に失望している!!。

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 霧の中から現れるのは、異次元の怪物たち。原作では、「原子力発電所の事故」と云う設定が、本作では「米軍の実験施設で事故が起り、異次元の扉を開いてしまった」と変更されている。現れた怪物たちも、放射能で巨大化した(ゴジラもそうだった)生物ではなく、ラブクラフト起原の『クトゥルー神話』に登場するような邪神そのものだった。邪神が従えるのは、悪霊のかしら(ベルゼブル)の使いのような巨大ハエや、ガーゴイルのような小型翼竜だ。

 彼等には感情はなく、ただ捕食者としてだけ表現される。ただ一ケ所、偶然か、邪神の意志が、熱狂的な旧約聖書信奉者の女性だけ、巨大ハエの毒針を免れる。彼女は、血を好む荒ぶる古代神の代弁者となり、動揺する住民を先導していく。パニックに陥った人間は容易に洗脳出来るようだ。とくに、アメリカのように保守的なキリスト教徒の多い国では、ヤハウェの存在を信じさせることは赤子の手をひねるようなものなのだろう。神の恩寵があるとそれば、「すべての人の上に平等に死が訪れる」…。この1点のみだとしたら、世の中はなんとも殺伐としたものになる。

 ハートウォーミングな前2作を作った監督の心をここまで凍らせたのは、一体なんだったのだろうか?推測はつくが、書かないことにする。アメリカの病巣は深い…。

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ミスト/3

可愛いは強い!Go!GO!オリーブ!/『リトル・ミス・サンシャイン』5

リトルサンシャイン







●リトル・ミス・サンシャイン●


●監督;ジョナサン・デイトン/
    ヴァレリー・ファリス
●出演;アビゲイル・ブレスリン/
    グレッグ・キニア/
    ポール・ダノ/
    アラン・アーキン/
    トニ・コレット

●DATA;20世紀フォックス/2006年作品/101分
●受賞歴;サンダンス映画祭出品/
      第19回東京国際映画祭=監督賞・女優賞・観客賞/
      アカデミー脚本賞・アカデミー助演男優賞 他多数

 DVD冒頭に新作案内は付属している。『リトル・ミス・サンシャイン』の予告を見て、ホノボノ系の映画かと思っていたら????。簡単なあらすじなど…。

●あらすじ

 アリゾナに住む9歳のオリーブ。何ごとにも前向きのオリーブは、地区美少女コンテストで2位になった。ちょっとだけ得意で上機嫌のオリーブ。家族は、老人ホームを追い出されたヘロイン中毒の祖父、ニーチェと東洋哲学にハマり無言の修行中のストイックな兄、自己啓発本の出版に血道を上げている父、そして頑張り屋の母の5人家族だ。多忙でストレスフルな毎日を送る母は禁煙できないでいる。平和(?)な家族の団欒に、ゲイで、失恋し、自殺未遂し、仕事も辞めてしまった(!)叔父が加わる。

 地区美少女コンテスト1位の少女が、全国大会の出場を棄権する。2位だったオリーブが全米美少女コンテストに出場することになった。決勝の会場はカリフォルニアのホテルまで約1000km。飛行機代が工面出来ず、ヘロイン中毒の祖父、自殺未遂の叔父らを、独りに出来ず、一家はオンボロのVWワゴンで遠くカリフォルニアまで行く羽目になる。

 狭い車内では、お祖父ちゃんは毒舌全開!!黄色いワゴンは砂漠を疾走するが…。さて、オリーブ達一家はカリフォルニアに無事到着するのか?そして、コンテストの結果は???>>>>つづきはDVDでどうぞ!

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 まず、主役のオリーブが可愛い!!ホッペもお腹の子供らしくポッチャリしていて、アラレちゃん(古!)メガネも可愛い。でも!?、美少女コンテストってタイプには見えない天然系。最初から、なんだか怪しい雰囲気が漂う…。

 オリーブと母以外は皆、ダメ男!男って存在はナイーブで複雑怪奇だ。ヘロイン中毒のジジイ、自己啓発マニアのオヤジ、無言を誓うアニ、ロマンチックなゲイ叔父…。日本のドラマでこの設定なら、最初からギャグ路線と見え見えだが、アメリカ映画ではシリアスな雰囲気が漂う。深刻の度合いが深くて、この男性陣はまったく笑えない。立派な家に住んでいるが、「きっとサブプライムローンで四苦八苦に違い無い」なんて一家の経済状況がお寒いのが見え隠れする。

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 類似作として、やはりアカデミー賞を受賞した『アメリカン・ビューティ』を思い出す。アメリカ人の幸せは、複雑怪奇!?ナンデモありは何もないのと変わらない。一家の住んでいるアリゾナは、自然景観に恵まれ、グランド・キャニオンやネィティブ・アメリカンの聖地セドナもあり、インディアン居留地も多い。砂漠が多く、お隣のカリフォルニアに比べ、辺鄙な州ってイメージだ。一家の家が“アリゾナ”ってのも、アメリカの観客には何か?感じるものがあるのかもしれない。

 ネィティブ・アメリカンのスピリットは「物質文明から離れたところにこそ、安寧な約束の地がある」と言うもの。だが、オリーブの父は、「人生の勝ち組」にこだわっている。アメリカで始まった自己啓発セミナーの入会勧誘会に間違って行ってしまったことがあるが、そりゃ〜、もう大変なモンだった。幸福感を創造するのは、諸行無常なこの現世では難しい。オリーブの父は、勝利を信じる信念と、どうにもならない現実のギャップの中で、本当の幸せを再発見する。最初はイヤなオヤジに見える父だが、ラスト、クライマックスでは最高!

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 全米美少女コンテストのシーンは実際の優勝者のような、ハイ・スキルな少女たちが登場する。以前、美少女コンテストの常連だったジョンベネちゃん殺害事件で、実際の美少女コンテストの様子が報道されたことがある。映画のそれも、まったく似通ったものだった。作り笑いが貼り付いたような笑顔、横にニ〜ッと笑った時に見える歯並びの素晴らしさ!?、見事な特技(踊り、歌、アクロバットetc.)もプロフェッショナルな出来映えだ。これが微笑ましく見ることが出来るか?イタイタしいと感じるか?は、立場、心情の差で大きく別れるだろう。「おもろうって、やがて悲しき…」って、感じだった。

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 我れらのヒロイン、オリーブちゃん!!クライマックスでは、デストロイヤー級の破壊力で、物語を盛り上げる。幸せは身近にあるんだよね!!オリーブちゃん!!

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残忍さと美意識の映像叙事詩!?/『武士ーMUSA』4

武士/03




































●武士ーMUSA
●監督;キム・ソンス
●出演;チャン・ツィイー/チョン・ウソン /チュ・ジンモ/
    アン・ソンギ/ユー・ロングァン/パク・チョンハク
●DATA;韓国/2001年作品/133 分

 市内3店で繰り広げていたDVDレンタル・セール終了間近…。1店は閉店(50円レンタル)することで、この競合店の価格競争は終止符を打つことになった。1年足らずだったが、底値(旧作50円〜/新作199円〜)でレンタル出来たので、3つのお店には感謝している。

 本作は映画館で未見。タイトル『武士』に食指が動かず、いままで未見だった。見終わって、アマゾンでDVDを注文してしまった(汗)。タイトルだけで中味に偏見を持ってはいけないと痛感!。さて、どんな映画かと云うと…。

●あらすじ

 灼熱の沙漠、流刑地に送られる虜囚が果てしなくつづく砂の中で、次々と生き倒れていく。時代は元滅亡、明の始め頃、1375年。高麗は元と友好関係にあったが、新しく中国の覇者となった明とは、明使節の殺害事件があり、強い緊張状態にあった。南京に入城した彼等を待っていたのは、歓待ではなく、兵士の弓矢だった。使節団を守る龍虎軍将軍チェ・ジョンは戦おうとするが使節に押しとどめられる。彼等は沙漠の果ての流刑地に送られることになったのだ。流刑地近く、一行を元の騎兵団が襲いかかる。明の護送兵は皆殺しにされるが、元の将校は「高麗人の生死には関与しない」と使節団を沙漠に置き去りにしていく。食料も水も乏しい一行は、故郷を目指し、沙漠の中を北に向かうこととなる。

 帰路の沙漠の中で、使節団の老いた高官が生き絶える。彼には忠実な奴婢の若者が寄り添っていた。死の真際、高官は「彼はもう奴婢ではない。人間として扱ってくれ」と言い残す。龍虎軍将軍チェ・ジョンは主人の遺体を故郷まで運ぼうとする若者を残し、出発してしまう。高麗使節団の一行は、沙漠の終わり、隊商の天幕に到着する。そこには高麗に帰還する修行僧がいた。僧の金で食事の出来た一行。また、明の姫君芙蓉を護送する元の軍隊が現れ、主人の遺体を運ぶ若者も到着する。

 龍虎軍将軍は、芙蓉姫から血で書いた「救」の字のハンカチを渡される。高麗に帰りたい者、姫を助け使節団の職務を全うしたい龍虎軍将軍、解放された奴婢の若者、姫を護送する元軍の将軍、さまざまな思惑と宿命が交錯していく。姫を奪った高麗の一行、追う元の騎兵隊…、彼等の運命は?姫は南京城に帰れるのだろうか?>>>つづきはDVッでどうぞ!

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武士/2
 日々、レンタルDVDを見ても、自分で購入しようと思う作品は少ない。だが、本作は「手元に残して置きたい」と思った。正直、チョン・ウソンの演じる若い奴婢の長髪に惑わされて、思わず(?)注文してしまったのだ。誰が主人公が判らないほど、作中に魅力的なキャラが複数いた。日本人俳優はどこか美男系でも、親しみやすさが勝ってしまうように思う。しかし、韓国系美男俳優は、親しみやすさを排除した、マッチョでクールな魅力が全面に出ている。そこが本作の最大の魅力だ。加えて、軍馬の躍動感、迫力ある戦闘シーン、殺傷シーンのリアルなディテール、血生臭いと思うシーンが本当と活き活きと、映像化され、そこも本作の魅力。

 韓国の時代劇には2種類あるように思う。恋愛色のあるものと、まったくないもの。本作『武士ーMUSA』は後者に属する。恋愛なら、男女の主人公にフォーカスするので、お話が判りやすい。本作は、軸となるストーリーが希薄、群像劇になっている。

 中国系人気女優チャン・ツィイーが芙蓉姫として主演しているが、彼女は誰に恋をする訳でも、誰かに愛される訳ではない。なんとなく“綺麗なお姉さん”程度の扱いなのだ。
 龍虎軍将軍チェ・ジョンと彼の武官、弓名人の隊正、高官と彼の奴婢、通訳官見習の若者、元軍の将軍、芙蓉姫、僧侶etc、彼等には、勿論のこと、それぞれの人生がある。さまざまは伏線が語られることのない部分に隠されている。、複数の主人公になりうる個性がそれぞれ物語に関わっていくのだが、残念ながら2時間程度では断片的にしか判らない。『武士ーMUSA』は連続TVドラマとして、もっと長尺で制作された方が良い作品だと思う。

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 また、何故、姫が誘拐されているのに、明軍が出兵していないのか?また、沙漠を餌や水のない状態で、馬で越えられるのか?あれこれ謎だが、ま〜、そんなことは余り、本作の魅力とは関係ないのかもしれない。タイトルの“武士”って概念が大陸にあったのか?微妙な感じなのだが、『武士ーMUSA』は、時代劇系ファンタジーとして見るのが、正解なのかもしれない。

 人の生き死にの描写が軽いのは韓国作品の特徴の1つ。人気韓国ドラマ『朱蒙』でも『蔗童謡(ソドンヨ)』でも兵士の死亡シーンが頻繁に出るが、日本時代劇のそれ(桃太郎侍的な)のように、血糊も、肉片もまったくない。だが、本作は人が死ぬ時の凄惨さが、十分に描かれているように感じた。このリアルさが、本作への好悪を分けるかもしれない。本作『武士ーMUSA』で一番感じることは、歴史の無惨であり、人命の犠牲の中で、歴史は刻まれていると云うことだ。

 日本の歴史はあまり大陸の盛衰と関わりを持たないが、朝鮮半島のそれは、「大国中国の干渉の中で、絶えずに苦労を重ねて来たのだ。」、そんな感慨に溜め息が出てしまった。

 美男子好きな人にはお薦め!でもちょっと後味悪いかも…。

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耽美系でなく、怪奇系!?少女たちの館/『ミネハハ』3

ミネハハ





































●ミネハハ 秘密の森の少女たち
●原作:フランク・ヴェデキント
●監督: ジョン・アーヴィン
●出演;ジャクリーン・ビセット/ハナ・テイラー・ゴードン/ナタリア・テナ/アンナ・マグワイア 他
●DATA; 102 分/DVD発売日: 2008/02/08 第62回ベネティア国際映画祭上映作(2005)

 同じ原作から映画化された『エコール』と、ほぼ同時期に制作された『ミネハハ』。『エコール』はフランス/ベルギー、『ミネハハ』はアメリカ映画。同じ原作でも、随分違った出来映えになっている。「どっちが良い」と、言えないけれど、この作品はこのテイストで完結しているのだろう。さて、簡単なあらすじなど…。

●あらすじ

 街はずれ、高い塀に囲まれた寄宿学校がある。小さな赤ん坊が届けられる。赤ん坊の手足を仔細にチェックする校長。ここでは、幼い子から18歳までの少女ばかりが、バレエや音楽、楽器を学んでいた。

 ヒダラとイレーネはお互いが大好きだった。夜、二人でおしゃべりをしたり、学校の中を探検したり。二人は、この学校には何かした、秘密があるように感じられることがあった。休み時間、森の中の秘密の場所で二人はキスを交わす。美しい景色、二人はその場所を『ミネハハ=笑う水』と名付けることにした。ヒダラとイレーネの二人は、メイドに声を掛けられる。強引に作業部屋に連れ込まれた二人に、メイドにキスしていたことを咎められ、「云うとおりにすれば、校長に告げ口しないと」と脅かされる。二人もこの学校の生徒だったが、同性愛が発覚し、生徒から召し使いにされたと云う。逃げ帰る二人の後ろで大きな嘲笑が聞こえる。ある日、老婦人と貴婦人二人が学校を視察に来る。二人は校長は大金を渡し、「あなたの手腕を公爵は評価され、ほかの学校は閉鎖した」と云う。校長は隠し金庫に金を終うと溜め息をつく。若い貴婦人もここの生徒だったのだ。

 ヒダラとイレーネのクラスには好奇心の強いヴェラがいた。ヴィラに誘われて二人は図書室の裏にある校長の隠し部屋に忍び込む。そこには生徒の個人票が保存されていた。云われている自分の両親と書かれている記録が違うことに少女たちは驚く。侵入警報が鳴りだし、ヴィラだけが閉じ込められてしまう。その夜の食卓にヴィラの姿はなかった。イレーネたちはヴィラが脱走したと告げられるが…。それは惨劇の序章にすぎなかったのだ。>>>>つづきはDVDでどうぞ!!

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 同じ原作の『エコール』は雑誌や写真集、原作を市川実和子さんが翻訳したものが発売されたり、なかなか盛り上がっていた。『エコール』はロリータものと云えば、ロリータものなのだが、運ばれた少女が棺の中に入っていたり、制服のデザイン、室内の様子などなど、どこかグリム童話のようなファンタジー感があり、奇妙で美しい作品に仕上がっていた。

 本作『ミネハハ』は、今月紹介した『小さな悪の華』と類似したシーンが多く、登場する少女も生々しい。ヒダラとイレーネは女の子だけの寄宿舎で、仮想恋愛状態になっている。仮想恋愛なので、本物の同性愛者にからかわれると、ビビって逃げ出してしまう。ここらへんの描写はリアルで、日本映画にはない雰囲気がある。

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 『エコール』でもバレエの練習シーンがあったが、最終の舞台の踊りは小学校の学芸会風だった。『ミネハハ』では、最年長の少女の年齢設定が3歳ほど年長になっているせいもあるだろうが、バレエに関しては本作の方がずっと本格的だ。ヒダラが主役になるためにイレーネはある行為をするのだが、それが自分の思惑と違う運命を手繰ってしまったことに気づくイレーネは悲しい。

 校長役はジャクリーン・ビセット、他の女優さんも比較的見た顔の人が多い。映画のジャンルとしたらホラー・サスペンス(?)になるのだろうか…。本作での怪物は、最後に登場する公爵だが、金に飽かせて、少女を飼育している感があり、実に不愉快な内容と言える。ホラーの古典『コレクター』にあったように、自分の思い通りになる女奴隷を幽閉する感覚はどこからくるのか????極端な例とは云え、類似の事件は多々あるので、本当に怖いことだ。

 平ったく書けば、変態伯爵の人さらい、計画強姦、共謀者多数!?ってことになってしまうのが、怖い!!文学と云うラッピングに包まれた犯罪映画は、不健全さが底で牙を研いでいるようで、綺麗なほど怖いものだ(溜め息)。

リボンにレースにお菓子!ロココはヤバイ!?/『マリー・アントワネット』5

MM/1



















●マリー・アントワネット
●監督/脚本;ソフィア・コッポラ
●原作;アントニア・フレイザー
●衣装デザイン;ミレーナ・カノネロ
●出演;キルスティン・ダンスト/ジェイソン・シュワルツマン/
    アーシア・アルジェント/マリアンヌ・フェイスフル 他
●DATE;アメリカ/フランス 2007年 123 分

 やっと秋らしい夜空になった。熱帯夜が去り、秋の冷涼な空気を感じるとホッとする。今年も残り三ヶ月余、“光陰矢の如し”を実感する秋なのだ。5月から余り記憶がない(汗)。7月に見て、これも今頃感想など。

●あらすじ

 オーストリア・ハプスブルグ家の末娘マリー・アントワネットは14歳になった。髪も結わず、清楚なリボンだけ。ドレスもまだ少女らしく幼気な可憐さが漂う。愛犬のブラシが大のお気に入り。優しい侍女たちに囲まれて、幸せに暮らしていた。

 母、マリア・テレジアは国策のために、末娘のマリーを隣国フランスの王太子ルイ・オーギュストに嫁がせることを決める。マリーに渡されたのは小さなルイの肖像画だけ。フランスに向かう馬車の中、マリーは大好きな愛犬を抱いて、窓の外を眺めている。他国へ嫁ぐ重圧、結婚の自覚のないマリーは優しい面ざしのルイを見て、どんなに素敵な王子様か?ウキウキした気持ちしかなかった。

 国境ではフランスの迎えが天幕を張りマリーの到着を待っていた。そこでマリーはすべての衣服をフランス製のものと着替え、髪もフランス風に結い上げた。少女らしい清楚なものから、豪奢で華やかなフランス風のドレス。マリーの心はわくわくしていた。だが、愛犬ブラシをフランスに連れていくことも、気心の知れた侍女たちを同行させるのも許されなかった。それは、これから始まるフランス王室での暮らしの気重さを象徴していた。「何ごともフランス風に」、マリー・アントワネットの浪費と逸楽に彩られたフランス生活の始まりだった。
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 主演はアメリカの代表的なアイドル女優。『インタビュー・ウィズ・バンパイア』『ジュマンジ』などの子役からハリウッドで活躍し、『スパイダーマン』ではヒロインを演じているキルスティン・ダンストだ。小柄な彼女の容貌は、肖像画のマリー・アントワネットに似てはいないが、腰を絞ったドレスは抜群に似合っていた。

 「うわ〜!!!」と思ったのは、彼女が国境の天幕で見せる全裸の後ろ姿。お尻の窪みや、背骨の線が、華奢でお人形さんみたいに綺麗だった。本作はマリー・アントワネットの寒そうな着替えシーンや入浴シーンが多く登場するが、彼女の清潔感溢れる少女体型が映画の雰囲気にすごく合っていた。

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 他のレビューや批評家の文にあるように、ソフィア・コッポラの『マリー・アントワネット』はファッションをコンセプトにした歴史ファンタジーだ。綺麗なドレス、綺麗な靴、綺麗なインテリア、薔薇、香水、お菓子、宝石etc.、あらゆる贅沢品がマリー・アントワネットの暮らしを彩る。数十万、数百万、数千万、数億…、天文学的な消費!!彼女の生活によって国家予算を危機に陥ったことは、有名な歴史的な事実だが、そこまでマリーを野放しにしていた旦那ルイ16世はマリーを愛していたのだろうが…、歴史の不幸に王家は飲み込まれてしまう。※一見、無能のグズに見える王様だが、歴史観によると善政を布いた良い王様だったらしい。ルイ16世の援助なくして「アメリカの独立ななかった」と云う歴史家もいた。

 映画でも歴史でも、母が多産(10人以上!)だったせいか?子供づくりだけがマリーの務めのように言われる。初夜のカーテンの外には沢山の王族が控え、朝の着替えも夜のチェックのように、20人以上の王族の女たちに全裸をジロジロ見られ!?!?!、出産の時も廻り中人ざかり!!マリーの人格なんてまったく無視状態。

 そんなフランス王室への復讐のように誇り高いオーストリア皇女は浪費に励む。その無駄使いっぷりを堪能するのが、本作の最大の楽しみであり、醍醐味なのだ。歴史的な事実はそんなに重要ではない。ラスト・シーンはフランス制作の『恋する王妃マリー・アントワネット』が斬頭台までだったに比べ、革命前に王宮を脱出するところで終わっている。この逃亡は失敗に終わり、いっそうマリーや王家の立場を悪くしたのだった。

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 王太子妃から王妃になったマリーはいかさま賭博で大負けしたり、お忍びで仮面舞踏会に出掛け、フェルセン伯と恋に落ちたりする。本作のテーマはマリーの浪費とファッションなので、有名なフェルセン伯との関わりもごくあっさりとしか描かれない。(※余談だが、フェルセン伯は騎士道精神的にマリーを愛し、最後まで彼女の救助に尽力する。だが、結果は民衆による屈辱の処刑!悲嘆したフェルセン伯は以後庶民を憎み、最後は庶民に虐殺されるという悲惨な最後を遂げる。)

 そんな不幸な未来はどこを吹く風!マリーはモーツゥルトのオペラを自分が演じたり、音楽と贅沢を楽しむ。堅苦しいベルサイユ宮殿を逃れて広い敷地の中に、のどかな農村テーマパークを立てたり、マリーはお金を使うことに関しては天才的だったと溜め息もの。

 自分で世話をする農園のシーンでは幼い王女と王子を連れているのだが、この二人の子役が息を飲むほど可愛い。こんなに可愛い子役を見たことがない!!!まさに恋月姫さんの人形が動いているような可愛さなのだ。この子供たちだけのために本作DVDを購入したいと思ったほどだ。

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 工芸やファッション、芸術は、浪費する王がいると急速に深化、進化、発展する。もし、マリー・アントワネットが質実剛健、質素倹約が好きな女性だったら、今日のモードの都“パリ”はなかったかもしれない。今風の香水、ハンカチ、入浴の習慣、さまざまな料理やお菓子、それはマリー・アントワネットがフランスにもたらしたものだ。

 マリーを追い詰めたのは困窮した民衆だったが、この時代の冷害は日本の富士山噴火によるものだ。「もし、浅間山が噴火しなかったら?」マリー・アントワネットは天寿を全うし、ナポレオンも出現せず、凱旋門もなかったかもしれない(笑)。フランス王室が今もあり、離婚したダイアナ元妃を庇護してかもしれないetc.。

 ロココ大好き、薔薇と天使大好きな女子はこのDVDは家宝です(笑)。

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