●サンティアゴ青春巡礼
〜高校生・9日間250kmを歩く〜
●番組内容;
夏、大勢の若者たちがスペイン北西部の聖地サンティアゴ・デ・コンポステラをめざし、広大な自然の中を歩く。巡礼ルートの見どころや景色も盛り込みながら、高校生たちのサンティアゴ巡礼を紹介。※この番組はNHKオンデマンドで配信中。
●放映局;NHKBS2
●再放送日;
12月14日(月)〜12月18日(金)
12月21日(月)〜12月25日(金)
●放送時間;午前8:00〜午前8:15
忙しい年末だと言うのに、毎朝見ている(汗)。再放送なのだそうだ。憧れの“サンティアゴ巡礼”。ここ数年、スペインに行きたい気持ちが強かった。キリスト教徒には、エルサレム、ローマと並ぶ三大巡礼地だ。歴史のある教会が多くあり、教会美術も素晴らしい。だが、長く家を留守にしないと巡礼路は歩けない。すっかり俗世にしがらんじゃって…(汗)。
●巡 礼 路 概要紹介。
ヨーロッパを縦走する“サンティアゴ巡礼路”。その全長は2300キロを超え、アジアのシルクロードのように文化を運ぶ道でもあった。位置はポルトガルに近いスペインの端。伝説によると、9世紀の初め、星の光に導かれた修道士が聖ヤコブの遺骸が発見する。そこに霊廟が建てられ、現在のサンティアゴ・デ・コンポステラ大聖堂の礎となる。中世には聖ヤコブの霊廟は、多くの巡礼者がヨーロッパの果てから訪れるようになった。現在も、多くの巡礼者が歩く。人気なのは、フランスから始まりピレネー山脈を越える800キロ!!余り。巡礼者の泊まる安価な宿(アルベルゲ)や、救護所を兼ねた教会が順路沿いに点在し旅人を支える。基本は徒歩、あるいは自転車。一本路ではなく、複数の路が1つになっていく。路辻には、ホタテ貝マーク付きの道標があり、ホタテ貝が巡礼者の印であり、皆荷物に着けている。
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番組は、地元スペインの高校生(聖ルルデス高校)が、夏休みを利用し“サンティエゴ巡礼”を体験すると言うもの。同じ高校の生徒から、希望者のみ約100名が参加した。男の子も女の子も、着替えやあれこれ10キロの荷物を背負い、ひたすら歩く。目指すは、“サンティアゴ・デ・コンポステラ大聖堂”。9日で250キロ、平均26キロ!。26キロぐらいと思うが、舗装道路はごくわずか…、長距離徒歩が9日続くのは相当こたえるはず。
途中、山あり、谷あり、足は豆だらけになる。日本と違うのは、自動販売機やコンビニなどが見当たらないこと。勿論、景色を台無しにするような立て看板などない。草原、ひまわり畑、牧場…、電気さえないように思える中世そのままの村が点在する。日本人観光客も年間100名ぐらい巡礼に参加するらしい。100キロ歩くと巡礼証明書が貰えるのだそうだ。100キロ歩く!?、250キロはへこたれそうだが、100キロなら「なんだかいけそうな気がするぅぅぅ〜。」などと、妄想しつつ観ている。
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この番組は、若者向きドキュメンタリー。ちょっと『あいのり』っぽいナレーションで始まる。100人の中で特にTVクルーが密着したのは、
テレサとアントニオ(黒髪眼鏡)
マリアとギジェルモ
アンヘリカとファン
恋人のような恋人未満のような…、そんな高校生男女。テレサと元彼のアントニオ(黒髪眼鏡)、黒髪のマリアとギジェルモの4人。彼らは目立つ青春映画スターのようなカップル。マリアの足の長さ・プロポーションはバービー級!!。最初の方は恋人モード全開だったが、巡礼も日数を重ねると顔つきが引き締まってくる。いつのまにか男同士で歩いたり、女同士になったり、なかなかドラマチック。私のお気に入りはアンヘリカ。少しぽっちゃり型の眼鏡の女の子。趣味は日本のアニメらしい(!)。彼女が手帳に描いた自画像は、日本アニメの匂いがした(笑)。彼女はオタクを自認していて、クラスでも孤立していた。旅の最初では一緒に歩く仲良しもいない。ただ、憧れの男の子を遠くから見ているだけだった。3日目くらいから、だんだん男子と交流できるようになり、後半は荷物を持ってもらったり、へたっていると戻って助けてもらったり!!。実にスペインの男子高校生は紳士的(?)、と、言うか、とにかく優しい。
「ねえ、君今何キロ?」
「63キロ」
「もうちょっと痩せた方がいいね、
僕は去年はすごく太っていたんだ」
こんな会話、日本の男女高校生の間では成立しない!!??かな。。。
「ねえ、何キロ?」
「馬鹿!」
で終わっちゃうよね(笑)。
大人数なので、巡礼宿には泊まれない。体育館などで雑魚寝。恋人たちが、少々熱すぎることもある。それでも先生は一切口出ししていない。こんなところでも、すごく良い雰囲気!!。
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今日の放映は、7日目の様子。綺麗な森や小川を抜け、ボエンテの町に到着した。先生が「だんだんカミーノ(スペイン内の巡礼路)の魔法が判るようになる」と言っていた。無心に巡礼路を歩くうちに、様々な気付きと奇跡がある。たとえば内気で友達もいなかったアンヘリカは、仲良くなった男子と一日中話している自分に驚く。テレサとマリアは、仲良くむちゃくちゃな歌を歌いながら歩く。歩きながら、未来のこと、進学のこと、雑談から人生相談になる。こんな本音トークは、巡礼仲間ならではだ。アントニアは転校生のイレーネの世話を焼いて…、テレサは複雑。普段は家に帰れば、気分が変わる。だが、巡礼中は否応ない。そんな恋の悩みがあろうがなかろうが、目的地に向かって歩く!歩く!。
中学の頃、20キロ歩く行事があった。歩き始めは最後尾だったが、学校に着く頃には先頭グループの背中が見えた。ゴール近くの2キロ、なんだか楽しくて楽しくて仕方なかった。歩き終わった時、少しだけ自分が好きになった。
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お遍路路、熊野古道、
カイラス巡礼にサンティアゴ巡礼。
無心に長距離歩くと言うこと。
不思議なことがあるのかもしれない。
印象的だったのは、途中であったフランス人巡礼者。もう800キロを移動したと言う。
「旅が長く続くように、ゆっくり進んでいる」
おまけ;最終日、皆無事にサンティアゴ・デ・コンポステラ大聖堂に到着。朝、お揃いの赤いTシャツを先生が配っていた。全員でミサに参列し、お墓に詣で、聖ヤコブの像のハグ。後ろからハグすると、望みが叶うそうだ。金を貼った像には、大きな宝石が輝いている。ミサの最中、司祭の携帯電話が鳴る。「天国からの電話です」>>>爆笑!!。良い雰囲気!!。
翌日は40キロ離れた海岸で休養。水着ではしゃぐ彼らの顔は明るい。マリアとテレサは、「来年は違う恋人を見つける」と大笑い!?。アンヘリカも屈託なく笑っている。キリスト教を信じていても、信じていなくても、巡礼って行為で心が大きく育つのを感じたエンディングだった。
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