活字はこう読む? 雑・誌・洪・積・世

サブ・カルチャー好きの情報スクラップ。ささらほうさらと彼岸を往復。

週・月刊誌系

少女マンガ地下帝国の女王さま!/『文藝別冊 萩尾望都』5

萩尾望都2


























文藝別冊 萩尾望都 
   少女マンガ界の偉大なる母
●定価;1200円
●出版社; 河出書房新社 (2010/5/14)
●ISBN-10: 4309977340
 ISBN-13: 978-4309977348

●内容紹介
 現代少女マンガ界の偉大なる母、萩尾望都を大特集。松本零士、ちばてつや、永井豪、里中満智子など豪華執筆陣が勢揃い。幻の漫画8本の完全掲載、仕事場紹介、貴重なラフスケッチも大公開!

●漫画家からの特別寄稿
 松本零士/ちばてつや/安彦良和/永井 豪/里中満智子/山岸凉子/青池保子
庄司陽子/赤石路代/清水玲子/宮脇明子/ささやななえこ/羽海野チカ

●萩尾望都の解説付き 仕事場&愛猫紹介
●家族インタビュー 他

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 アマゾンのレビューを読んでいて、「萩尾望都さまを知ったのが数年前」的な文章を目にして、昔日の思い…。。。。なんだかスゴ〜く、ショックだった。望都さまは今も、月刊誌に短編を意欲的に掲載され、どんどんその世界感を深化させている大作家なのですよ。

 昔々、都内在住の友人たちに、某女子高校のマンガ研究会のメンバーがいた。彼女たちは大泉サロンの末座の常連だった。当時は大泉サロンは末期だったが、手の足りない時、彼女たちはメシスタントやベタ塗りのお手伝いなどをしていた。中でもチャコちゃん(通称、足膝の裏に届く長髪の美少女だった)は、少年ジャンプにデビュー間近。彼女の家には、漫画家志望が集まり、大泉サロンの真似事をしていた。何人も漫画家志望が集まり、大泉サロンでのことなど話題にのぼることもあった。

◆◆◆

 当時、田舎の高校生だった私、偶然が偶然を呼び、大泉サロンの分室のような中野サロンに出入りすることになった、チャコちゃんの部屋には着彩色紙が数十枚飾ってあったが、庄司陽子さん、忠津 陽子さん、里中真智子さん、木原敏江さんなどなど、そのそうそうたるメンバーの丁寧なカラー色紙に目が点になった。どうしたら、あんなお宝が手に入るのか?、謎だった。チャコさんは病気などもあり、プロ作家として活躍することはなかった。だが、彼女の親友は、今もコミックの世界で活躍している。

 竹宮恵子さま、木原敏江さま、大島弓子さま、ささやななえさま、山岸涼子さま、!!!!。この皆様がいらっしゃらなかったら、水野英子先生が切り開いた少女コミックの世界は、これほど百花繚乱しなかっただろう。

 少女漫画の創成期、数多くの作家が綺羅星のように登場した。中でも、恐ろしく高くそびえている山がある。それが“萩尾望都”さまなのだ。通称もーさまですよ!!!。この世の中の女子で、日本語が読めて、本屋に行けて、書棚に手が届くなら、萩尾望都さまの作品を読んだことのない人がいるなんて!?!?!?。この世の幸せの半分も知らないのに等しい(!!)。

◆◆◆

 萩尾さまの作品は読者を選ぶ。

 『霧笛』と言う作品がある。これはレイ・ブラッドベリの作品を漫画化したもの。霧に包まれた灯台、港、海、おぼろげなもやの中に何かが…。この原作を映像化しようとした人!!!、それがスピルバーグでもシャラマンでもなくもーさまなのであって、『インタビューwithバンパイア』はどう考えても『ポーの一族』が原作だ。だが、大きな菩薩さまのようなもーさまはハリウッドを訴えたりっしない。そこがすごい。この世の創作は、もーさんの掌のように感じた。

 少ない科白、難解なイメージ描写、同性愛に虐待…、誰でもが面白いと思う作品ではないかもしれない。だが、それを美しい絵で描ける世界は少女マンガしかない。

◆◆◆

 30年ほど前、『銀の三角』と言う作品があった。日本製のファンタジーで『銀の三角』を凌ぐ作品はまだ生まれていない。『指輪物語』とどっちが優れているか?、討論しても良いぐらいだ。今、大人気の『聖☆おにいさん』でさえ、光瀬龍さん原作の『百億の昼と千億の夜』へのオマージュなんでは?と思うことがある。秋田文庫で読めるので、これは必読!!。

 全国のマンガ好きはこの雑誌を買うこと。
 そして、読めるだけ望都さまの作品を読むこと。
 この人を知らないでコミック読みだと言うなら…×○△※。
 ※この項書きかけ、のちほど加筆修正します。

萩尾望都1

芸術家水木しげる!ゲゲゲを知る入門書/雑誌『pen 5/1号』5

Pen 5/1号2010
























 この雑誌は、話題の水木先生の画業を多角的に紹介し、水木ワールドの魅力を知ることが出来る。すでにアマゾンでは売り切れ御免。近所の本屋では入荷なし、やっと高崎のブックズマンアカデミーで購入できた。

pen with New Attitude●
●出版社;阪急コミュニケーションズ(月2回刊版)
●発売日: 2010/4/15

●出版社による内容紹介
いまこそ日本漫画の鬼才に注目! 水木しげる大研究。

今年、米寿と画業生活60年の節目を迎える、
日本漫画界の巨匠にして鬼才、水木しげる。

彼によって命を吹き込まれた、妖怪という「目に見えないものたち」は、
どれもが魅力にあふれ、
まるですぐ隣にいるかのような親しみに満ちている。
貧しかった紙芝居作家、貸本漫画家時代のエピソード、
水木のルーツが詰まった故郷・境港の現地取材、
そして幻の作品まで完全収録した大特集!

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 現在、NHK朝のドラマで水木先生の奥様、武良布枝さんの自伝『ゲゲゲの女房』が放映されている。第1週、布枝さんの子供時代では実写部分にアニメで妖怪ペトペトさんが登場した。お父さん役に大杉漣さん、しげるさんのお母さんは竹下惠子さん、芸達者な脇役が揃い、毎朝楽しみにしている。しげる役を工藤宮九郎さんが演じる映画版も製作中だそうだ。

 今?、何故?、昭和の漫画家水木しげるが注目されるのか?。もともとNHKは水木先生が好きだ(笑)。少年時代に生家の家政婦さんだった“のんのんばあ”とのエピソードを描いたドラマも、以前に放映していた。そんなことを抜きにしても、日本人は水木しげる=鬼太郎やネズミ男、妖怪が大好きだ。

◆◆◆

 子供の頃、空を見上げると不思議なものがいる。モアモアして透き通った大きなアメーバーのようなものだ。後日、それは妖怪の一種だと知る。水木しげる先生の描く『ゲゲゲの鬼太郎』の初期作品にそっくりの妖怪が描かれていた。ごくごく個人的なことだが、水木先生が少しだけ通われた美術学校は私の母校でもある。水木先生は少しだけ大先輩になる。これは嬉しい!!。

 高校の体育祭で仮装行列と言う文化部系学生の出し物があった。我がクラスは“ゲゲゲの鬼太郎ファミリー”を演じた。鬼太郎は勿論私だ(笑)。鬼太郎、猫娘、ネズミ男、作り物の一反木綿、何故か学校のアイドルだったジュンコちゃんは体中に包帯を巻き、ミイラ男になった。家中の包帯を持ってきたそうだ(汗)。アイドル・ジュンコちゃんの参加もあり、大受けだった。私は我が家ののんのんばあ的存在のおばあちゃんに、鬼太郎のチャンチャンコを縫ってもらったのだが、本格的な袖なし羽織りを作ってくれ、一見学生服を着た桃太郎のようになってしまった(汗)。

◆◆◆

 脱線してしまったが、私の高校時代なんてものは、相当な昔だ。勿論昭和時代!。その頃も、鬼太郎は大人気だった。白黒TVの時代、『河童の三平』や『悪魔くん』が、実写で放映されていた。両方とも子供番組を超えた本格的な妖気が漂い、特に『河童の三平』は怖かった…。貸本屋時代の水木作品はリアルに知らないが、少年マガジンに登場した『ゲゲゲの鬼太郎』。新連載の1回目、幽霊族の母、包帯に覆われた父が目だけになるシーンのエグさ!、赤ちゃん鬼太郎が墓場から這い出すシーンは、子供心に衝撃だった。※今朝のドラマで、そのシーンのカットが使われていたが、1960年の兎月書房の仕事らしい。

 今号の『水木しげる大研究』には、水木先生の“丸い輪の世界”や、“妖精をたずねて”が載録されている。両方とも死んだ肉親との出会いを描いた作品だ。生死の彼岸を超えたもの。大自然の化身として顕われる巨大な妖怪の数々!!。私のオカルト趣味は水木しげる作品の愛読でどんどん加速し、見えないものが見える…ような感覚が普通のものになった。本当に見えている訳ではなく、心の中の情報が自然の気配と一致すると、目に形の情報を与えてくれる。そんな感じかもしれない。ユングの言う集合無意識の世界だ。

◆◆◆

 個人的なことはともかく、私のような妖怪マニアは決して珍しくない。子供は怖いもの、珍しいもの、そしてアナーキー(管理されない存在)が大好きなのだ。

 ♪朝は寝床で グ〜 グ〜 グ〜
  お化けにゃ、学校も〜、
  試験も 何にもナイ ♪

な訳で、お化けは腹が減らないので、働く必要がないのだ。だが、ネズミ男は人間とのハーフだ。口は臭いし、屁はするし、腹が減るので、いつも金儲けのために些細な悪事を企む。子供の夢のような遊んで暮らす妖怪と、世知辛い拝金主義の人間界。その2つの世界と繋ぐ存在が鬼太郎やネズミ男であり、水木しげる先生なのだ。

◆◆◆

 水木先生の作品の底には、大自然の畏敬と、人間の愚かさが潜んでいる。金銭に縛られ、アクセク働き、病気になって死んでしまっても、本人が幸せだと思えば、幸せなわけで、豊なものに囲まれ、お金に不自由なくても、長生きしようが、本人が不幸な人生だと思えば、不幸なのだろう。南方で九死に一生を得た水木先生は知っているのだ。酷い戦争体験を生き抜いた人だけが知る闇と光を…。どの作品にも、深くて、しかも暖かい人生論が潜んでいる。

 うっかり水木ワールドに惑溺すれば、荒俣先生や京極氏のような半妖怪になってしまう人もいる(笑)。私も、うっかり水木ワールドの水を飲んだ結果、時々、腹中に毒玉(鬼太郎は毛玉のように吐き出す)、水妖が宿る。半妖は外科手術で妖怪退治をするが、妖怪百目のような肉垂れになるのも用心しなければならない(汗)かくして、ますます一般人との同化が難しくなる(汗)。

 今年米寿になった水木先生。
 本物の妖怪のように、何百歳も長生きし欲しい。

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お正月だけど幽霊屋敷かよ〜〜〜!?/『ダ・ヴィンチ』 2010年 02月号4

ダヴィンチ・2月/10

























●ダ・ヴィンチ 2010年 02月号
●発行;メディアファクトリー
●DATA;2010年1/6発売 ¥ 490

2月号ながら、表紙はまさにお正月!!。蒼井優さんは和服が似合う。ご存知!、“本とコミックの情報マガジン”です。

◆特集1
  救って1「聖☆おにいさん」2010年、どうしよう?
◆特集2
  新刊「私の家では何も起こらない」発売記念
  恩田陸が案内する、英米幽霊屋敷ガイド その他
◆インタビュー
  青山七惠 花沢健吾 浅田次郎 林真理子
  大江健三郎 樋口直哉 金原ひとみ 他

*************************************:

 ご近所に大きな書店がない。新刊や話題の本をザッピングするには高崎の戸田書店や高崎ウニウス内のブックアカデミーに行くしかない。その前に、何をチェックするかは、新聞の書評や広告、そして『ダ・ヴィンチ』。特集に魅力がない時は、購入時若干躊躇する(汗)。『テレプシコーラ』が休載の時は、多いに躊躇する(笑)。『テレプシコーラ』中毒なので、発売日は未明からソワソワする。

●今月号の『テレプシコーラ』あらすじ&感想

あらすじ; “ローザンヌ国際バレエコンクール”の準決勝。風邪を悪化させてしまった六花はクラシック課題の途中で腰を落としてしまう。次のコンテンポラリーは、発熱のため棄権…。そのためか?、予選で落ちた出場者に留学推薦のオファー・カードも配布されなかった。すべての可能性が閉ざされたと六花は落胆する。そして決勝戦の客席、ローラが登場する。その踊りは…。

感 想; 作者の山岸先生は、昨年ローザンヌを実際に長期取材。その成果が如何なく描かれている。昨年の決勝の様子はNHK教育TVで放映されたので観たが、以前に較べ、出場者の個性が平らになっていたように感じた。コンテンポラリーがオリジナルの時の方が、観ていて面白いと感じたが、良い振付師に恵まれない参加者は不平等を感じたものだ。その欠陥が改善されている分、平らに感じたのかもしれない。

 今月号は、六花ちゃんが活躍する部分はまったくない。決勝の様子と実際に取材した逸話や事実がメインになっている。最後に、読者期待のローラ・チャンの正体?に関する六花の直感を匂わせ、4月号に続き。「来月号は、休載か〜〜〜。。。。」。と、残念!!。踊り手としての六花ちゃんの資質は、脇役扱い。ローザンヌの話になってから、その傾向が特に強い。六花ちゃんを振付師としての可能性を描くとしたら、バレエ漫画として画期的なものになると思うので、もっと六花ちゃん中心に進行してほしいと思うのは、ファンの単なるわがまま(汗)。それにしても茜ちゃんの顔は手抜き(笑)すぎて泣ける。千花ちゃんと比べ、六花ちゃんの顔も時々手抜き風になるので、手抜きではなくキャラ???(汗)。とにかく3月号の展開に期待!!。

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●今月号の『ホ〜イ・メメントモリ』感想

 なんと!!コトブキさんは、某エバラさん風カリスマのコンサートに出かける。そこに集う女性たちの悩みに

「あなたの悩みはたいしたことないのよ」

と癒すカリスマと幸福感に満たされる観客を見て、こう思う。

「豊かだな〜」

そして、この場に本当の貧困が押し寄せた時の修羅場を想像し、メメントモリする。

 この感じ、本当によく私も想像することだ。自分の心が枯渇していると思い、癒しのためにエバラさんの紹介するような神社やパワースポットに行きたいと思う。だが、本当に貧困にあげぎ、毎日の食に事欠き、家もなく、職もなく、頼る友人・親戚もない人には、癒しのパワースポットや、感謝のワークなんてものより、命を繋げるための家や食事の方が、0対実数ぐらいに必要だ。子供の頃、何かわがままを言う私に母はよく言ったものだ。

「お前より、もっと不幸で困っている子がいる」

 なんとも救いのないお言葉だが、これを言われると我慢するしかない(汗)。母の言うように、子供のオネダリに限れば、わがままの出所は「豊かさ」であることに間違いない。ほんの2ページの連載だが、いつも一番大事なことを思い出させてもらえる。ありがたいことだ(汗)。

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 ほか、幽霊屋敷ガイドや、『聖☆おにいさん』のキャラと使った特集など、一生懸命読んでも、ダラダラ読んでも面白い(?)特集複数。大型書店のない地方・田舎の本読み、とっても便利な雑誌なのだった。

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人形は怖いか?愛しいか?/『月刊たくさんのふしぎ』3

たくさんのふしぎ
















●たくさんのふしぎ●
●特集;
 人形はこころのいれもの
●1984年11月号
●発行;福音館書店


●出版社HP掲載の内容紹介
 1冊1テーマ、科学、生活、歴史…あらゆるテーマを常識やぶりの新鮮な切り口でとらえ、じっくり掘り下げます。文も絵も写真も第一級の作者が全力投球。毎号、読者参加の「ふしぎ新聞」(4〜8頁)つき。さらに、年3回、保存版の付録「1枚絵」がつきます。


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 このレビュー&雑談系は、半年以上放置してあった。世の中、葉茶芽茶の混乱期だったせいか?、気楽なことが一時書けない気持ちになっていた。少し落ち着いてきたので、下書きの整理をしている。

 雑誌『たくさんのふしぎ』。老舗“福音館書店”の発行している“ムー”的児童向け月刊誌(冗談です)。根強いファンがいるようで、『たくさんのふしぎ』はヤフオクにたくさん出品されている。でも、書店で見たことがないのも「不思議」(笑)。出来ればバックナンバーを揃えたい欲望がメラメラ!?、内なる怪物の食指が動いている。 

 画像の掲載雑誌の発売は25年前。ヤフオクの人形カテゴリーに出品されていた。ずらりな並んだ人形はこちらを見ている。古色をおびた表紙がなかなか怖くて(笑)、勿論!!(←やや病気です。)欲しくなった。案の定、他に欲しがる人もなく、定価程度で落札。

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 ●本号の感想

 人形の歴史や、あるご家族が所有している人形を題材に、家族史と人形をリンクさせた記事で構成されている。土偶から始まり、江戸時代の裃雛、文化人形、バービーやリカちゃんなどの着せ替え人形が、子供でもわかりやすい文章で紹介されている。

 どのページも微妙に怖くて、子供に媚びたところがまったくない。土偶も人形に分類している。形から言えばそうだが、呪物と人形を一緒にするとややこしい。わら人形も人形の仲間入りになって、着せ替えしちゃうのか?ってことになる。

 こんな感じで本誌は『人形』を民俗学的に見ている。その編集スタンスが、怖さを増幅させる。だいたいからして、特集のタイトルが“人形はこころのいれもの”なんだもんな〜〜〜。心=魂と言う図式ではないと思うが、心=念だと仮定すれば、念の入った人形は相当に怖い!?。出来たら念など入って欲しくないのだが、名作傑作の人形や彫刻のことを“入魂の作品”なんて表現するのが日本人の感性。本書はそこを淡々と、当たり前のように綴っている。本書の写真を見て相当数の子供が人形怖いトラウマを持ったに違いない(笑)。

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 ●閑話休題的人形の話3題

 怖い人形の話は山岸涼子さんの描いた『わたしの人形は良い人形/初出ASUKA(角川) 文春文庫収録』がピカイチ。松谷みよ子さん編著の『現代民話考全集(ちくま)』の中の1編に想を得た作品だ。あの故中島らもさまは読んで驚愕!?、押入れの奥に本を隠したと言う。その押入れから不気味な物音がし、彼を恐怖のどん底に落としいれたと言う。本誌を読んだ読者は、それから人形恐怖症に罹患し、日本中に市松人形廃棄の嵐を生んだ(嘘)問題作。※『現代民話考全集』は大きな図書館などには必ず置いてあるので、山岸先生の作品と読み比べると恐怖も格別です。※この話題は以前も書いたで、再録的な内容になってます。



 京都の宝鏡寺には未婚のまま生涯を終えた皇女の遺品が多く収蔵されている。その中には美術品として価値の高い雛人形や雛道具も多い。今では人形の寺として有名で、人形供養もしてくれる。その中に、伝説的な人形がある。細い目に丸顔の御所人形はかつて皇女さまの愛玩品だった。、侍女をはべらし、多くのお道具を持ち、特別に大切にされている。この人形は夜自在に動いたと言われている。自由のない皇女さま、幽閉されたような尼寺の中で、短い生涯を終えた少女たちの想いが乗り移ったようで、なんとも切ない。



 大昔、霊体験の話を聞きに、TVの出演された女子大生のお宅を訪問したことがある。彼女の話の中で、特に印象に残ったのは「死んだ父親が土産に買ってくれたインディアン人形の髪の毛が伸びる」と言うもの。実際、人形を見せてもらったが、ナイロン製の髪の毛が不自然に一部長くなっていた。人形供養で有名な和歌山県の淡島神社の収蔵庫にはたくさんのインディアン人形がある。何でインディアン人形なのか?。私もインディアン人形を試しに購入してみた。やっぱり不思議と不気味で今は仕舞い込んである。インディアン人形は怖い!?。

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 怖い!?人形の代表選手のような(笑)市松人形。“不思議ナックル”の恐怖特集の表紙にもよく市松人形の画像が載っている。市松人形は昭和のものを中心に多少だがコレクションしている。仕事場の本棚1つに人形コレクションが入っている。一応、可愛いものを中心に並べているつもり(笑)。一度だけ、女友達を部屋に招いた。彼女は「すごく怖い!!」と早々と帰った。で、その後、来なくなった(汗)。

 怖いのは市松人形に限ったことではない。病院の老女のベッドサイドにおいてあるポポちゃんだって相当に怖い(汗)。

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白日に出ることのない闇/『不思議ナックルズvol.16』3

不思議ナックルvol.16



●不思議ナックルズ vol.16●
●出版社;ミリオン出版
●発行日;2008/10
●書籍コード;
   ISBN-10: 4813062539



現代の
奇談・異聞を
読み解くミステリアス・
マガジン(表紙から)



 コンビニのみ発売らしいR15系雑誌。

 可愛い表紙に騙されてはいけない。本雑誌は、精神の猛毒に溢れている。気の弱い人は、絶対に読まない方が良い。

 な〜んて、書きながら未入手バックナンバー2册を通販注文してしまった(汗)。この世には、近づいてはいけない禁忌=タブーがある。本誌の編集さん、執筆者の皆さんは、一種の命知らず!?。タブーへの特攻部隊だ。怖い映画を指の間から見るように、臆病ものは本誌を通して社会の暗部を知ることになる。差し障りない程度に、怖い記事や、興味深い記事などを紹介したい。

●内容

【実験検証ルポタージュ】
 『水からの伝言』の真相

 数年前、大ヒットした『水からの伝言』を、独自に実験検証した記事。水は良い波動を記憶すると云う疑似科学系の大ヒット本を茶化した内容。綺麗な名水と水道水を汲んできて、SM嬢に虐めてもらうと云う実験はバカバカしいけど、可笑しい。Mな水ってのがあるのか?ないのか?。

【実録“アウトロー”怪奇ルポタージュ】
 刺青という“魔物”

 刺青に関する怪異を紹介した記事。ここで取り上げられているのは、タトゥーと云うファッション系のものではなく、極道のくりからもんもんのこと。普通の人生と決別したことを自分に体に刻む行為は、一種の自傷行為に近い。短い記事だが、刺青を入れた当事者と、刺青師のインタビューは、考えさせられることが多い。やっぱり、刺青は“呪物”だと痛感!!。

他、下山事件の真相/
  経世会政治家の怪死/
  四谷怪談の呪い/
  宮崎勤事件 他 など

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 上記の記事の中で、一番気になったのは、本年6月17日に死刑執行された宮崎勤元死刑囚の記事だ。もし、記事のとおり、宮崎死刑囚に共犯者がいたり、警察が証拠を捏造し、他の事件まで彼の仕業にされていたら…。悪魔のように恐ろしい真犯人がのうのうと暮していることになる。これは、本当に恐ろしいことだ。記事を読むと、新聞報道ではうやむやになっている事件捜査の整合性の破綻が見隠れしている。

 歳月が宮崎勤事件を一種の都市伝説化しているが、実のところ、未解決の幼女や幼児の失踪殺人遺棄事件が、群馬を含めた関東エリアには複数ある。日本の殺人の検挙率は90%以上と云われている。だが、関東連続幼児誘拐殺人事件は手がかりさえない。

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 子供達を、何故姿を消したのか?目的は?。先日放映された東京12CH系『やりすぎコージー』で、関暁夫さんが云っていた「その子は、世界中にいる」と云う霊能者の言葉。それが、臓器売買を意味していたら?。絶句するほど、恐ろしい。。。。

 1980年代頃、インドや東南アジア、中近東では、臓器売買などの目的で、多くの子供が行方不明になっていると云う噂が、まことしやかに囁かれていた。

 宮崎元死刑囚は誰かをかばっていたらしいことが、記事にあった。一体、誰をかばっていたのだろう?。事件の真相は、死刑によってすべて封印されてしまった。死刑制度の怖さ…、背筋が凍る。

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 他、UFO関連の記事や、呪いに関する記事など、深層心理から読むと、興味深いものも多かった。個人的には精神病棟系の記事は、その病気で苦しんでいる患者さんのことを考えると、とっても嫌な気分になる。加えて、広告系が微妙!!。日本の暗部が一番出ているのは、B級雑誌の広告かもしれない…。

 名前は伏せられていたが、30代の若さで癌死したロック・スターの死の真相が書かれていた。真偽は分らないが、その逸話は彼らしい男気(人助けをして災いを被った)を感じ、彼の元気な頃の面影が脳裏に浮かび、目頭が熱くなった。黙祷…。

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北京五輪の影で弾圧されている人々…。/『わしズム夏号 8/30号』5

わしズム夏号/08


●わしズム夏号 8/30号●
●責任編集;小林よしのり
●出版社;小学館 月2回刊版
●発売日;2008/07/30
●定価;1,100円



 昨日(8/6)、北京オリンピックの女子サッカー競技が始まった。ニュージーランド選手のラフプレーが目立つ中、“なでしこジャパン”は苦戦。それでも後半の巻き返しで同点!。もう少し時間があれば、きっと逆転していたと思う。少し残念だけれど、引き分け勝点1はまずまずだ。

 北京オリンピックの開会式は、末広がりにこだわり八月八日。もうすぐ4年に一度のお楽しみ!“平和の祭典”オリンピックが始まる。だが、若干ワクワク感が足りない。六月の四川大地震も悲惨だったけれど、チベット・ウィグル自治区の人権問題はとんでもなく劣悪だ。中国の人々の悲惨な現状は、指に刺さった棘のように気になる。

 今日(8/7)のニュース報道で、アメリカのブッシュ大統領が中国の人権問題についてコメントを発表していた。「すべての中国の国民が自由でなければならない」。正直な感想は????。アメリカがイラクでしていること、パレスチナやベトナムで看過してきた非道は、誰もが知っている。誰かがシナリオを書いたのか?。

●目次(内容)

特集 ダライ・ラマ14世に異議あり 天籟 1
  「見ぬふりされてるチベットでの民族浄化」
  「今も続いているウイグル大虐殺の歴史」
  ダライ・ラマ14世に異議あり 〈座談会〉
  上田紀行×八木秀次×木村三浩×富岡幸一郎×小林よしのり
  小原かるま×藁谷みいな×テンジン
 〈弾圧の現場〉
  チベット・ウイグル民族浄化の地から聞こえる悲痛な叫び
 〈フォト・ルポルタージュ〉「変装と銃声と笑顔の少年僧」 撮影/渡部陽一
 〈徹底解説〉↓「失われたチベット」−中国侵略以前の原型 田中公明  他

 >>>詳細は本誌で是非お読みください。

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 今から20数年前、鬱治療中の親友が我が家で夕食を食べ、TVを見ていた。その時、画面に映っていたのはNHKスペシャル【カイラス巡礼】。五体投地礼(祈りを捧げながら、全身を地面に伏す礼拝法)をしながら、一周約52kmのカイラス山の周囲を巡るチベット系の人々。真っ黒に日焼けしたお下げ髪の女性は、ニコニコ真っ白な歯を見せながら、「もう50周廻りました。あと50周するつもりです(数字はうろ覚えで違うかもしれません)」と、とんでもない!!数字を言った。南インドから来たと言う、片足の男性は「23年旅をしている」と言った。また、「巡礼の途中で母は死に、妻は子供を生みました」と言う家族もいた。

 巡礼路の最高標高は5630m!、その周囲を一般的は巡礼者は13周(=約676km)すると言う。信仰を持つ人々の人生の驚異的な篤さ!!。TV番組を見ていたくだんの友人は、番組を見終わる頃には変!?になっていた。ゲシュタルト崩壊?状態とは、あんな感じかもしれない。放心状態になった友人を車で自宅まで送ったが、彼の母親からは白い目で見られたのは言うまでもない。数日を経て、彼の鬱状態は快方に向かっていた。信仰が持つパワーは、何か不思議な出来事を引き寄せる…。

 そんな仏の国がチベットのはずだった…。偏向したドキュメンタリー番組は、一種のファンタジーだ。何故、彼等がカイラスだけに心を向けるのか?何故、「きっと来世は幸せになりますように」と祈るのか?。それは、現世が闇夜の地獄だと言うことではないのか?。演出ばかり際立って、心の奥底の悲しみが描かれていないドキュメンタリーだったのか?今さらだが、20年以上前の番組に怒りがこみ上げてきた。

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 本雑誌“わしズム”は劇薬だ。

 人は見たくないものを見ないようにしている。だから、中国で行われているチベット人やウィグル人への破滅的な暴力行為も、見て見ぬふりをしている。見ないようにしていると、見えなくなるから怖い!!。本雑誌『わしズム』はそんな見て見ぬふりをしている歴史の暗部、人類の恥部を昼日中の広場に曝すように過激さに満ちている。暴力行為を報道すること、活字メディアだけでは、読者の想像力に委ねられる部分が大きい。品の良い大手出版社や、大手新聞などの記事はある程度のバイアスやフィルター、政治的は配慮ななされている。だから、大きい国際問題の報道の見出し活字は小さく、巷の殺人事件や、暴力事件の見出し活字は大きい(独断です、スミマセン)。

 本号で、彼がフォーカスしたのは、『チベット問題』。1950年、共産中国が、独立した国だったチベットに侵攻、軍事制圧してしまう。その後のチベットの歴史は悲惨だ!!、目を覆いたくなるような非人道的な暴力行為が日常化する。仏の国の人々、観音力に守られていた人々は、筆舌に尽しがたい法難に見舞われる。その時、国際社会は何をしていたのか?。アメリカは朝鮮半島で戦争をし、ベトナム戦争へと突入していく。他民族を軍事侵略しているアメリカが中国を非難しても、中国政府の耳には届かなくて当たり前。大国主義の真の恐ろしさは、歴史のそこかしこにあるのだ。共産中国の占領下にあって、大量の中国人の移住が行われ、大半の僧院は破壊された。多くの僧侶が虐殺され、今もチベット人の大量殺戮が日常的に行われていると言う。

 チベット・ウィグルで行われて共産中国の残虐行為や、現在の状況をもっと詳しく知りたい人は、是非、本雑誌を手にとって見て欲しい。心の底から湧きあげる恐怖に言葉をなくし、人に生まれたことを呪いたくなるほどだ。

■■■

 本雑誌では、小林よしのり氏が伝えたいことは、彼が漫画に描いている。彼の絵は、けっして上手でもなく、テクニックのある絵でもない。しかし、彼の絵だからこそ伝わる強い暴力性や残虐性がある。リアルな絵ではないから、正視出来る。一種、逆説的なリアリティがあるのだ。

 そんな暗黒面も持つ中国で開催される北京オリンピック…。華やかなセレモニー、綺麗なお姉さんで揃えたオリンピック・コンパニオン…。きっと、見たら楽しい。でも!でも!、忘れてはいけないのは、今もチベットやウィグルの悲劇は進行中なのだ。

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鯉が龍になる瞬間を目撃!?/『緊急特集 井上雄彦』BRUTUS5

井上雄彦/ブルータス




●緊急特集
 井上雄彦●
●掲載誌;BRUTUS
    7/1号 2008
●付録;未公開ラフノート
    バカボンドポスター



 5月24日〜7月5日まで、東京上野美術館で開催されていた『井上雄彦 最後のマンガ展』の特集号。かつて、ここまで独りのマンガ家に美術館が占領されたことがあっただろうか!?。

 この美術展は、マンガ家井上雄彦に美術館の大空間を創作の場として与えている。彼は、入口から出口まで、1つの物語として捕らえ、縦横無心にその実力を発揮している。コミック雑誌の原稿サイズから、壁を被い尽くす大キャンバスまで、井上の筆は龍のように踊っていた。井上雄彦は、超一流の画家としての実力を、保守的な美術界に認めさせたことになる。渾身と言う形容詞が、真実似合う美術展であった。

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 この美術展で評価されたように、優れた漫画家の、原画、一枚一枚が貴重な芸術品である。この快挙は、原画を粗末に扱われたり、紛失されたりした漫画家には快挙であり、福音と言える。

 絵を描くと言う作業は、武術の修錬のように、長時間の鍛練で磨かれるものと、心の奥底に潜む龍を育てる作業でもある。生まれつき絵の巧い下手は、あるもので、この意味では画才は不平等なものだ。だが、心の奥底に潜む龍を育てる作業は、万人に開かれた登龍門だと言える。

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 “少年ジャンプ”執筆時の井上雄彦の絵は、巧いは巧いが、まだ既成作家の影響下にあったように感じられた。だが、究極の武蔵を描く『バカボンド』で、彼の画風は大きく変わっていく。編集者の意図もあったと思うが、表現は自由になり、彼の持ち味であるデザインセンスが十二分に活かされていく。また、日本画の筆を活用するようになり、彼の絵に、何か違う存在が力を貸しているように変容していく。

 本誌の中で、「井上ほどの線が描ける日本画家はいない」と書いてある。今の日本画科学生は絹本に肥痩線で描く伝統的な作画法を学ぶのは一時的なもの。あとは大キャンパスの新日本画を描くようになる。横山大観の名作『生々流転』を完全に模写できる画家は大学では育たないかもしれない。井上雄彦の筆は武蔵晩年の絵のように、古典的な趣きがある。彼なら『生々流転』が描けると思った。

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 残念ながら、上野の森での『最後のマンガ家展』は終了してしまった。だが、未見の人も本誌『緊急特集井上雄彦』を読めば、美術展の概要は知ることが出来ると思う。画家を目指す美大生!完全保存版!!。

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