●文藝別冊 萩尾望都
少女マンガ界の偉大なる母
●定価;1200円
●出版社; 河出書房新社 (2010/5/14)
●ISBN-10: 4309977340
ISBN-13: 978-4309977348
●内容紹介
現代少女マンガ界の偉大なる母、萩尾望都を大特集。松本零士、ちばてつや、永井豪、里中満智子など豪華執筆陣が勢揃い。幻の漫画8本の完全掲載、仕事場紹介、貴重なラフスケッチも大公開!
●漫画家からの特別寄稿
松本零士/ちばてつや/安彦良和/永井 豪/里中満智子/山岸凉子/青池保子
庄司陽子/赤石路代/清水玲子/宮脇明子/ささやななえこ/羽海野チカ
●萩尾望都の解説付き 仕事場&愛猫紹介
●家族インタビュー 他
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アマゾンのレビューを読んでいて、「萩尾望都さまを知ったのが数年前」的な文章を目にして、昔日の思い…。。。。なんだかスゴ〜く、ショックだった。望都さまは今も、月刊誌に短編を意欲的に掲載され、どんどんその世界感を深化させている大作家なのですよ。
昔々、都内在住の友人たちに、某女子高校のマンガ研究会のメンバーがいた。彼女たちは大泉サロンの末座の常連だった。当時は大泉サロンは末期だったが、手の足りない時、彼女たちはメシスタントやベタ塗りのお手伝いなどをしていた。中でもチャコちゃん(通称、足膝の裏に届く長髪の美少女だった)は、少年ジャンプにデビュー間近。彼女の家には、漫画家志望が集まり、大泉サロンの真似事をしていた。何人も漫画家志望が集まり、大泉サロンでのことなど話題にのぼることもあった。
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当時、田舎の高校生だった私、偶然が偶然を呼び、大泉サロンの分室のような中野サロンに出入りすることになった、チャコちゃんの部屋には着彩色紙が数十枚飾ってあったが、庄司陽子さん、忠津 陽子さん、里中真智子さん、木原敏江さんなどなど、そのそうそうたるメンバーの丁寧なカラー色紙に目が点になった。どうしたら、あんなお宝が手に入るのか?、謎だった。チャコさんは病気などもあり、プロ作家として活躍することはなかった。だが、彼女の親友は、今もコミックの世界で活躍している。
竹宮恵子さま、木原敏江さま、大島弓子さま、ささやななえさま、山岸涼子さま、!!!!。この皆様がいらっしゃらなかったら、水野英子先生が切り開いた少女コミックの世界は、これほど百花繚乱しなかっただろう。
少女漫画の創成期、数多くの作家が綺羅星のように登場した。中でも、恐ろしく高くそびえている山がある。それが“萩尾望都”さまなのだ。通称もーさまですよ!!!。この世の中の女子で、日本語が読めて、本屋に行けて、書棚に手が届くなら、萩尾望都さまの作品を読んだことのない人がいるなんて!?!?!?。この世の幸せの半分も知らないのに等しい(!!)。
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萩尾さまの作品は読者を選ぶ。
『霧笛』と言う作品がある。これはレイ・ブラッドベリの作品を漫画化したもの。霧に包まれた灯台、港、海、おぼろげなもやの中に何かが…。この原作を映像化しようとした人!!!、それがスピルバーグでもシャラマンでもなくもーさまなのであって、『インタビューwithバンパイア』はどう考えても『ポーの一族』が原作だ。だが、大きな菩薩さまのようなもーさまはハリウッドを訴えたりっしない。そこがすごい。この世の創作は、もーさんの掌のように感じた。
少ない科白、難解なイメージ描写、同性愛に虐待…、誰でもが面白いと思う作品ではないかもしれない。だが、それを美しい絵で描ける世界は少女マンガしかない。
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30年ほど前、『銀の三角』と言う作品があった。日本製のファンタジーで『銀の三角』を凌ぐ作品はまだ生まれていない。『指輪物語』とどっちが優れているか?、討論しても良いぐらいだ。今、大人気の『聖☆おにいさん』でさえ、光瀬龍さん原作の『百億の昼と千億の夜』へのオマージュなんでは?と思うことがある。秋田文庫で読めるので、これは必読!!。
全国のマンガ好きはこの雑誌を買うこと。
そして、読めるだけ望都さまの作品を読むこと。
この人を知らないでコミック読みだと言うなら…×○△※。
※この項書きかけ、のちほど加筆修正します。