巧妙が辻●功名が辻● NHK 日曜 PM.8:00〜
出演:上山隆也/仲間由紀恵(子役:永井杏)/佐久間良子/館ひろし/大地真央/浅野ゆう子/津川雅彦 他
脚本:大石静

■制作意図(公式HPから)
日々生き残ることに疲れた人々にとって、もっとも必要なものは何でしょうか。今、最も必要なものは、「人々の心に響く本当の励まし」なのではないでしょうか。この大河ドラマは、司馬遼太郎「功名が辻」を原作に、「励ますこと」に特別の才能をもった山内一豊の妻・千代と、「愚直」という真心ひとつで戦国の終わりまで駆け抜けた夫・一豊の愛と知恵の歴史を描きます。状況を読みぬく知恵、人の心をつかむ知恵、そして自分の正義を貫く知恵。それらを支える夫婦の愛。「妻の智恵」と「仕える側の目線」という視点から、戦国時代を新しく描き直します。

■これまでのあらすじ
千代は戦禍に巻き込まれ、父は戦死、家には火が放たれる。母と逃れる途中、敵兵に追われ、母は千代を助けるために殺される。母の伯母を頼って、歩く千代は人さらいに拉致され、偶然出逢った川並衆に助けられる。怪我をしながら美濃を目指す千代は織田信長を敵と狙う山内一豊主従に遭う。千代の疲れ果てた様子に一豊は自分の母法秀尼の庵に行くように云う。千代は法秀尼の庵でつかの間の平安を得る。一方、一豊は桶狭間で今川軍にまぎれ、信長に挑みかかろうとするが、軍神のような信長の気迫に打たれ、信長に士官すべく、秀吉と行動をともにするようになる。

「信長に士官したい」と母の庵に来た一豊は、まだ千代が母と一緒に暮らしているのに驚く。法秀尼は千代をわが子のように慈しみ、一豊の未来の妻へと望んでいた。まだ幼い千代も一豊の優しさに惹かれていた。しかし一豊の「まだいたのか?」の言葉に、美濃の伯母の家へ行くことを決心する。一豊のいる尾張と伯母の嫁いだ美濃は敵対関係。戦の渦中に「千代を行かせることはできない」と一豊は千代を止めるが、千代は国境の川を独り渡っていく。その後、尾張と美濃は一進一退の小競り合いをくり返し、一豊は雑兵として必死の毎日を送っている。一方、千代は軍師竹中半兵衛を得て、信長勢と互角に戦う美濃斉藤氏の地で美しく成長していった。

そして二人は川を挟んで再会するのだが…
*******************************巧妙/2

原作は司馬遼太郎の同名小説『功名が辻』。『新撰組』『義経』と続いたジャニーズ事務所系アイドルの主役から、劇団キャラメルボックス出身の上川隆也と民放でのコミカルな演技で大人気の仲間由紀恵をメインに脇を往年の大スターで固めている。これがなんとも凄い!?NHKの力業のようなキャスティング。

まず、織田信長の館ひろしさん。若さに欠けるとの意見もあったが、冷酷な凄みで、近年ない?怖い信長になっている。信長の妹、お市の方は大地真央さん。これがまた年をまったく感じさせないお美しさ。あまりテレビドラマに出演されない舞台の大スター、座っているだけで存在感がまったく違う。他、佐久間良子さん(一豊の母)、津川雅彦さん(千代の伯父)、板東三津五郎さん(明智光秀)、西田敏行(徳川家康)さんと、大河ドラマで主役として出演していた大物が目白押し。噂では主演の上川隆也さんは、周囲に気を使い過ぎて五キロ痩せたとか…?。そんな無責任な噂も信憑性を感じてしまうには十分過ぎる出演陣なのだ。
巧妙/3戦前の教科書に内助の功、賢婦の鏡として、描かれていた『山内一豊の妻』。某大臣が女性の社会進出に反対するようにも取れる発言をし、その真意を取りざたされている。女は「家で夫を支えるのが良い。」は「亭主、元気で留守が良い」に繋がり、雇用の不安定な現在では、専業主婦になれる結婚は「プチ玉の輿」と呼ばれている。では今の「内助の功」とはなんだろう?企画意図にある「夫を励ます」ことなのだろうか?

【状況を読みぬく知恵、人の心をつかむ知恵、そして自分の正義を貫く知恵。それらを支える夫婦の愛。「妻の智恵」と「仕える側の目線」という視点から、戦国時代を新しく描き直します。】

男女雇用均等法以降、女性の社会進出は追い風を受けているようにも思える。しかし、その実体は過酷、労働条件や福利厚生などが、きちんと整備されているのは一部の大企業だけだ。今の日本では、結婚し、安心して子育てできる環境は、残念ながら少ないのが実情だ。そんな社会状況を踏まえての「内助の功」のあり方を、女性が家庭にいる立場での「社会進出」と捉えて、ドラマ『功名が辻』の今後の展開と見ていきたいと思う。

俳優は最高!衣装や道具も最高!あとはシナリオと演出。
面白いドラマを、期待しています。

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