●妖怪大戦争●
●原案;水木しげる/荒俣宏/京極夏彦/宮部みゆき
●脚本;三池崇史/沢村光彦/板倉剛彦
●監督;三池崇史
●出演;神木隆之介/豊川悦司/菅原文太/近藤正臣
●2005年日本映画/2時間4分
DVDプレーヤーを新調(¥4600>ヤフオク)したので、ついついレンタル店で何やら借りてしまう。ここ一週間は『宮廷女官チャングムの誓い/大長今』を見ているので、ブログ更新がおろそかになってしまった(大汗;。
『妖怪大戦争』は同名の『妖怪大戦争/大映バージョン』を見たことがあったので、レンタルDVDにて鑑賞。前の『妖怪大戦争』もとんでもない怪作?だったが、今回の『妖怪大戦争』もトンデモなく超怪作だった(笑)。
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●Amazonによるストーリー紹介
10歳の少年タダシは、神社のお祭りで世界に平和をもたらすといわれる伝説的存在=“麒麟送子”に選ばれ、日本妖怪たちと力を合わせ、世界を滅亡させようとする魔人・加藤保憲の悪霊軍団に立ち向かっていく子供時代にしかできないひと夏の冒険 ―ワクワクドキドキ、アクションあり、笑いあり、そして涙あり感動あり、まさしく痛快無比の大冒険ファンタジー!
主演に今をときめく天才少年・神木隆之介を迎え、宮迫博之、菅原文太、豊川悦司、栗山千明、岡村隆史(ナインティンナイン)、阿部サダヲら豪華競演陣による2005年、夏の大ヒット作!
三池崇史監督、水木しげる、京極夏彦らによるプロデュースチーム「怪」が手掛けた冒険物語。神木隆之介演じるいじめられっ子の少年がひょんなことから正義の味方となり、日本の妖怪たちと力を合わせ悪霊軍団に立ち向かう。
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冒頭に往年の角川映画を彷佛させる平等院の鳳凰マークが、どっど〜〜ん!と画面に広がる。角川歴彦さんが本作を製作するのに巨額の資金を投入したとか!?出演者も豪華絢爛!ましてや原案に名前を列ねているのは、日本を代表する妖怪的?作家の面々(宮部先生スミマセン)。水木先生は『墓場(ゲゲゲ)の鬼太郎』で日本の妖怪道を確立した妖怪界の大恩人、荒俣先生は今回の妖怪大戦争の悪役に、『帝都物語』の魔人加藤保憲を召還した(笑)。
昨年の夏休み子供向け映画の大ヒット作とのことだが、大ヒットした?んだ〜…、と悩んでしまったのだが、立派な先生方や、日本を代表する名優、吉本の芸人さんたちが、しっかり童心に戻って、盆踊りを踊っているような映画だった。『死霊の盆踊り』なんて伝説のB級?ホラーがあったが、本作は『妖怪大戦争』ではなく、『踊る妖怪大集合!』または『妖怪の盆踊り』なのだ(笑)。
Amazonの一般レビューはホント!に賛否両論。楽しめた人と、目が点になった人とはっきり分かれていた。映画を批評する時に、脚本や演出、演技など、きちんと評価するレビュー者には、本作はどうしようもない愚作に見えるかもしれないし、オトナになってもチョコエッグの大人買いをして、小さなミニチュアをたくさんコレクションしているような子供な心を忘れない(微笑)アナタ!やワタシ?には、妖怪のコレクションを巨額の制作費で作ってくれたことだけで、拝みたくなってしまうような作品なのだ。
阿部サダヲさんはホントの河童のようだったし、雨上がり決死隊の螢原ちゃんは、本物の豆腐小僧のようだった。特筆すべきは川姫の清潔なお色気!小学生向きの萌!?なアイドル誕生って感じ(笑)。人間側では、極道からトラック野郎、強面が似合う菅原文太親分が、ボケ老人をコミカルに演じている。『柔道一直線』で足でピアノを弾いていた近藤正臣さんは、全身真っ赤なショウジョウを演じている。メイクが皆?凄いので、誰が誰だか分からないのだが(笑)、忌野キヨシロウさんや、原案の荒俣宏さん、京極夏彦さんetc.が妖怪の役で出演している。御本人探しも『妖怪大戦争』の大きな愉しみになっている。
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妖怪とはなんぞや?と定義する時に、日本独特の「新しいもの好き」と言う国民意識が明らかになる。平安の頃から人気のある百鬼夜行図に描かれる妖怪は、ほとんど器物の霊だ。古い道具類が妖怪に変じ、粗末にした人間を脅かす。代表的なものは、やぶれ傘、やぶれ提灯など。お椀だって、楽器だって、古くなると霊が宿り、さまざまな怪異を起こす(らしい)。次ぎに妖怪になるのは、古い木や植物、猫や狸、狐などの動物たちが妖怪になる。猫が長生きするとしっぽの先っぽが2つに分かれ、妖怪猫またになり、2本足で立って、人語を話す。
この『妖怪大戦争』でも、日本の妖怪学のスタンドードをきちんと守り、粗末にされた機械の霊が恨みとなって、妖怪化する構造になっている。その妖怪化を手助けするのは魔人加藤なのだが、加藤の企みがどんなヴィッジョンなのか?今一分かり辛いのが、脚本の弱さを感じて、残念だった。
しかし、そんな脚本やプロット、演出などは、本作ではど〜でも良いことで、妖怪が日本中から集まる、妖怪の大軍がうじゃうじゃしたシーンを撮りたかっただけなんだろうな〜と思ったりする。
麒麟送子と言う、ヒーローを演じる神木隆之介くんが際立って良い味を出しているし、文太兄貴のじいちゃんも楽しい!気楽に楽しめるお子さま映画の快作=怪作!?だと思うのだった。
レンタルして家族で見るのが大正解の楽しい映画です(笑)。
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